引越しの役所・ライフライン手続き一覧|期限と順番まとめ

引越しに伴う手続きは、役所(住民票・保険・年金・児童手当)、ライフライン(電気・ガス・水道)、郵便、その他(免許・車・銀行)と多岐にわたります。厄介なのは、それぞれに期限と順番があることです。たとえば転入届は「引越しした日から14日以内」と法律で決まっており、転出証明書がないと受け付けてもらえません(マイナンバーカード利用時を除く)。

本記事では、引越しの手続きを「引越し前にやるもの」と「引越し後にやるもの」に分け、期限と順番を一覧表で整理します。マイナンバーカードを使ったオンライン手続き(マイナポータルの引越し手続オンラインサービス)についても、2026年7月時点の仕組みを解説します。

転出届・転入届・転居届の違いと期限

住民票の異動手続きは、引越しのパターンによって3種類に分かれます。他の市区町村へ引越す場合は、旧住所地への「転出届」と新住所地への「転入届」の2つが必要です。同じ市区町村内での引越しなら「転居届」1つで済みます。

期限の基本は「引越しした日から14日以内」です(住民基本台帳法)。転出届は引越し前(おおむね14日前から)提出でき、窓口で受け取る「転出証明書」を転入届のときに提出する流れが原則です。正当な理由なく届出を怠ると過料の対象になり得るほか、住民票が実態とずれると選挙の投票所入場券や行政からの通知が届かない、各種証明書が取れないといった実害が出ます。

転入届・転居届は本人または世帯主等の窓口手続きが必要です(2026年7月時点)。本人確認書類とマイナンバーカード(お持ちの場合は世帯全員分)を持参しましょう。転入時には、マイナンバーカードの住所変更(継続利用手続き)もあわせて行います。

住民票の異動手続き3種類(2026年7月時点)
手続き対象届出先期限
転出届他の市区町村へ引越す人旧住所の市区町村(オンライン可)引越し前(おおむね14日前から)〜引越し後14日以内
転入届他の市区町村から引越してきた人新住所の市区町村(窓口)引越しした日から14日以内
転居届同一市区町村内で引越した人その市区町村(窓口)引越しした日から14日以内

マイナンバーカードなら転出届はオンラインで完結

マイナンバーカードを持っている人は、マイナポータルの「引越し手続オンラインサービス」(引越しワンストップサービス)を利用できます(2026年7月時点)。オンラインで転出届を提出でき、旧住所の役所窓口へ行く必要がなくなります。紙の転出証明書も発行されず、転入先の役所にデータで引き継がれる仕組みです。あわせて転入先窓口への来庁予定を連絡でき、窓口での待ち時間短縮も期待できます。

ただし、転入届そのものが不要になるわけではありません。引越し後14日以内に、新住所の役所窓口でマイナンバーカードを持って転入手続きを行う必要があります。オンライン化されたのは「転出側」であって、「転入側」は来庁が必要——ここを誤解しないようにしてください。

共働きなどで平日に役所へ行きにくい世帯こそ、オンライン転出の恩恵が大きくなります。役所へ行くのは転入時の1回だけで済むため、引越し前後の平日休みを1日確保すれば足りる計算になります。

マイナンバーカードは、転入届の際に住所変更(継続利用)の手続きをします。転入届を出した後、所定の期間内に継続利用の手続きをしないとカードが失効することがあるため、転入届と同じタイミングで必ず済ませてください。暗証番号(数字4桁)の入力が必要なので、忘れている場合は再設定も見込んでおきましょう。

電気・ガス・水道:停止と開始、立会いの要否

ライフラインは、旧居の「停止(解約)」と新居の「開始(契約)」をそれぞれ連絡します。引越しの1〜2週間前までに、各社のWebサイトか電話で申し込むのが目安です。電力・ガスの小売自由化以降は、引越しを機に契約会社やプランを見直す選択肢もあります。

立会いの要否が最も重要なポイントです。ガスの開栓(新居)は係員による点火確認等のため原則立会いが必要で、繁忙期は予約が埋まりやすいため早めに枠を押さえてください。電気はスマートメーターの普及により、水道も一般に、立会いなしで停止・開始できるケースが大半です(オートロック物件や特殊な設備では例外があります)。

ライフラインの手続きと立会いの要否(一般的な例)
項目申込み時期の目安立会い
電気(停止・開始)1〜2週間前まで原則不要(スマートメーターの場合)
ガス(停止)1〜2週間前まで原則不要(屋内にメーターがある場合等は必要なことも)
ガス(開栓)1〜2週間前まで(予約制)原則必要(引越し当日〜翌日の予約推奨)
水道(停止・開始)3〜4日前まで原則不要
インターネット回線1ヶ月前推奨(工事がある場合)回線工事がある場合は必要

郵便の転送:e転居で旧住所宛の郵便物を1年間転送

旧住所宛の郵便物は、日本郵便に転居届を出すことで新住所へ1年間、無料で転送してもらえます。手続きはスマホやパソコンから「e転居」でオンライン申請するか、郵便局窓口で行います。転送の開始まで数日〜1週間程度かかることがあるため、引越しの1〜2週間前には届け出ておくと安心です。

転送期間は届出日から1年間で、期間が切れる前に再度届け出れば延長できます。ただし転送はあくまで応急措置です。転送期間中に、銀行・クレジットカード・保険・通販などの登録住所を変更し切ることが本来のゴールだと考えてください(住所変更の全リストは別記事にまとめています)。

転送されるのは日本郵便が扱う郵便物です。宅配便各社には別途住所変更・転送の仕組みがあるほか、「転送不要」と表示された郵便(クレジットカードや行政の重要通知など)は転送されず差出人に戻ります。重要な契約の住所変更を後回しにしないでください。

属性別の手続き:保険・年金・児童手当・免許・車・ペット

ここまでの共通手続きに加えて、加入している制度や家族構成によって必要な手続きがあります。国民健康保険は市区町村単位の制度のため、他の市区町村への引越しでは転入後14日以内に加入の手続きが必要です(会社の健康保険の人は勤務先への住所変更届のみ)。児童手当は、転出予定日の翌日から15日以内に新住所地で認定請求をすれば、切れ目なく支給を受けられる仕組みになっています(いわゆる15日特例)。

車関係では、運転免許証の住所変更(記載事項変更)を新住所地の警察署等で速やかに行います。自動車を持っている場合は車庫証明の取り直しと車検証の住所変更(法令上は15日以内)も必要です。犬を飼っている場合は、狂犬病予防法に基づき30日以内に登録事項の変更を届け出ます。

属性別手続きの期限一覧(2026年7月時点の一般的な取り扱い)
手続き対象者期限・時期の目安
国民健康保険の加入(転入先)自営業・フリーランス等転入後14日以内
国民年金の住所変更第1号被保険者等原則不要な場合が多いが、必要な場合は14日以内(マイナンバー連携状況による)
児童手当の認定請求中学生以下等の子がいる世帯転出予定日の翌日から15日以内(15日特例)
転校・転入学手続き小中高生のいる世帯転入届の前後すみやかに(教育委員会・学校と調整)
運転免許証の住所変更免許保有者住所変更後すみやかに
車庫証明・車検証の住所変更自動車保有者車検証は変更から15日以内(車庫証明が前提)
犬の登録事項変更犬の飼い主30日以内(新住所の市区町村へ)
印鑑登録実印が必要な人転出で自動的に廃止。新住所地で再登録

よくある質問

転入届の「14日以内」を過ぎてしまったらどうなりますか?
期限を過ぎても手続き自体は受け付けてもらえるので、気づいた時点ですぐ届け出てください。住民基本台帳法上、正当な理由なく届出を怠った場合は過料の対象になり得ますが、まず問題なのは実害のほうで、住民票の写しが取れない、選挙や行政サービスの案内が届かない、児童手当などの給付に影響が出るといった不便が続きます。遅れた理由を聞かれたら正直に説明すれば足ります。
マイナンバーカードがあれば役所に一度も行かずに済みますか?
転出side、つまり旧住所の役所には行かずに済みますが、転入届は新住所の役所窓口での手続きが必要です(2026年7月時点)。マイナポータルの引越し手続オンラインサービスで転出届の提出と来庁予定の連絡を済ませ、引越し後14日以内にマイナンバーカードを持って転入先の窓口へ行く、というのが最小の動きになります。
郵便の転送は何年間してもらえますか?
日本郵便の転居届による転送期間は、届出日から1年間です。期間満了前に再度転居届を出せば、さらに1年間延長できます。手続きはe転居(オンライン)か郵便局窓口で無料です。ただし「転送不要」と表示された郵便物は転送されないため、転送期間中に銀行やクレジットカードなど重要な契約の登録住所を変更し終えることが大切です。
引越し前後で、手続きはどの順番で進めるのが効率的ですか?
引越し前は「ライフラインの停止・開始の申込み(ガス開栓の予約を最優先)」「転出届(オンラインまたは窓口)」「郵便のe転居」の順が目安です。引越し後は、最初の平日に新住所の役所で「転入届+マイナンバーカードの住所変更+国保・児童手当など役所内の手続き」を1回でまとめて済ませ、その後に免許・銀行・カードなどの住所変更を片づけると、役所へ行く回数を最小にできます。
単身赴任や学生の一人暮らしでも住民票を移すべきですか?
住民基本台帳法は生活の本拠(実際に住む場所)に住民票を置くことを求めており、引越しから14日以内の届出が原則です。一方、通学のための一時的な転居で生活の本拠が実家に残ると評価できる場合など、移さない扱いが認められるケースもあります。ただし住民票を移さないと、その自治体での選挙の投票、運転免許の更新場所、行政サービスや証明書の取得などで不便が生じます。迷う場合は市区町村の窓口に相談してください。

参考情報