施主検査(内覧会)チェックリスト|新築引き渡し前に見るべき箇所と持ち物

この記事の要点

  • 施主検査(内覧会)は引き渡し前に不具合を無償是正させる実質最後の機会です。特に傷・汚れは引き渡し後だと立証が難しくなります
  • 持ち物は図面・マスキングテープ・メジャー・水平器(スマホアプリ可)・ライト・カメラ。所要2時間を見込み、夕方より明るい昼間
  • 指摘はその場でテープ+写真+一覧表にし、是正確認会(再内覧)の日程を必ずセットしてから帰るのが鉄則です

施主検査(内覧会・完成検査)は、新築住宅の引き渡し前に買主が建物を確認し、不具合の是正を求める機会です。ここで見逃した表面的な傷・汚れは、引き渡し後には「もともとあったのか、引越しで付いたのか」の水掛け論になりがちで、事実上の最終チェックと考えるべきイベントです。

とはいえ、建築の素人が何をどう見ればいいのかは分かりにくいもの。この記事では、チェック箇所を部位別のリストにし、持ち物・当日の段取り・指摘の伝え方までまとめました。リストはそのままチェックリストとして使えます(タップで保存されます)。

重要事項説明や契約書面のチェックは重要事項説明の記事、引き渡し後の手続きは入居前にやることリストをどうぞ。

準備 — 持ち物と時間帯

施主検査は「気合いより準備」です。以下を揃え、所要2時間(戸建て・広めのマンションは2〜3時間)を確保してください。時間帯は自然光で傷・色ムラが見える昼間が鉄則。夕方の照明下では床・壁の傷を見逃します。

  • 図面一式(平面図・電気配線図・仕様書)— 「図面と違う」が最重要指摘のため必須
  • マスキングテープ — 指摘箇所に貼って番号を書く(剥がしても跡が残らない)
  • メジャー(5m)— 家具・家電の設置寸法も同時に採寸すると引越し準備が進む
  • 水平器またはスマホの水平器アプリ — 床・カウンターの傾き確認
  • 懐中電灯(スマホライト可)— 床下点検口・小屋裏・配管まわりの暗所
  • カメラ(スマホ)— 指摘箇所は俯瞰+接写の2枚。日付が残る設定で
  • 筆記具と指摘一覧表(番号・場所・内容・是正期限を書く欄)
  • 動きやすい服・靴下(床下・小屋裏を覗くなら汚れてよい服装)

チェックリスト①: 内装・建具・床

見た目と動きの確認です。傷・汚れは自然光の下で、斜めから光を当てると見つけやすくなります。

  • 床: 目立つ傷・へこみ・きしみ。水平器で傾きを数カ所(ビー玉より正確です)
  • 壁・天井: クロスの剥がれ・浮き・糊残り・角の破れ。斜めから光を当てると見えます
  • 建具(ドア・引き戸): 全部を開閉。こすれ・傾き・ラッチの掛かり・ソフトクローズの効き
  • 窓・サッシ: 全窓の開閉・施錠・網戸・ガラスの傷。結露しやすい季節は枠まわりも
  • 収納: 扉の開閉・棚板の枚数と固定・パイプの固定
  • 階段: 手すりのぐらつき・踏み板のきしみ
  • 和室があれば: 畳の隙間・障子や襖の建て付け

チェックリスト②: 水回り・設備・電気

設備は「実際に動かす」のが鉄則です。水は全箇所で出し、電気は全箇所で通電を確かめます。

  • 通水: キッチン・洗面・浴室・トイレの全水栓で水とお湯を実際に出す(お湯が出るまでの時間も)
  • 排水: 流れの速さ・排水口の臭い・シンク下や洗面台下の配管接続部の水滲み
  • トイレ: 洗浄・止水・便座機能の動作
  • 浴室: 換気扇・追い焚き・シャワー圧・ドアの開閉・コーキングの仕上がり
  • 換気: 24時間換気・各換気扇の動作(ティッシュが吸い付くか)
  • 電気: 全コンセントの通電(スマホ充電器で可)・全照明・スイッチの対応関係が図面どおりか
  • インターホン・TVアンテナ/配線・LAN・給湯リモコンの動作
  • 外回り(戸建て): 基礎のひび割れ・外壁の傷や色ムラ・雨樋・立水栓・境界標の位置
  • 点検口: 床下と小屋裏をライトで覗く(水たまり・木くず放置・断熱材の乱れ)

指摘の伝え方と「再確認会」の段取り

見つけた不具合は、①マスキングテープを貼って番号を振る ②写真を撮る ③一覧表に記入の3点セットで記録し、最後に施工会社の担当者と一覧を突き合わせて、書面(指摘リスト)に双方の控えを残します。口頭だけの「直しておきます」は禁物です。

そして最重要なのが、是正確認会(再内覧)の日程をその場で確定させること。是正→確認→引き渡しの順序を守れば、「直っていないまま引き渡し日が来た」を防げます。指摘が多い場合、引き渡し日の延期を交渉することも正当な選択肢です。

引き渡し(残代金決済)後は所有権が移り、表面的な傷汚れの是正交渉力は大きく下がります。「入居後にまとめて」と言われても、傷・汚れ系は必ず引き渡し前の是正を求めてください。構造・雨漏りなど重大な不適合は引き渡し後も契約不適合責任と品確法10年保証で守られます。

自分で見るのが不安なら、建築士等が同行するホームインスペクション(内覧会同行サービス・費用目安5万〜7万円前後)もあります。床下・小屋裏まで見てもらえるため、戸建てでは特に費用対効果があります。

よくある質問

施主検査(内覧会)ではどこを重点的に見ればいいですか?
優先度が高いのは①図面との相違(コンセント位置・仕様・色)、②水回りの通水と排水(実際に水を出す)、③建具・窓の全数開閉、④床の傾きと傷、⑤床下・小屋裏の状態です。特に図面との相違と傾き・配管系は入居後の是正が大がかりになるため、時間をかける価値があります。表面の傷・汚れは自然光の入る昼間に、斜めから光を当てて確認すると見つけやすくなります。
施主検査で指摘した不具合はいつまでに直してもらえますか?
決まった法定期限はなく、指摘リストに是正期限を明記し、是正確認会(再内覧)の日程をその場で確定させるのが実務の鉄則です。是正→再確認→引き渡しの順序を守れば、未補修のまま引き渡されることを防げます。指摘件数が多い場合は引き渡し日の延期を求めることも正当な交渉です。口頭の約束ではなく、双方控えのある書面に残してください。
内覧会同行サービスは頼むべきですか?
予算に余裕があれば、特に戸建てでは検討の価値があります。費用は5万〜7万円前後が目安で、建築士等が床下・小屋裏・レーザーでの傾き測定など素人には難しい部分を確認してくれます。マンションは構造部分が共用部のため相対的に必要性が下がりますが、初めての購入で不安が大きい場合の保険としては有効です。依頼しない場合も、この記事のチェックリストと水平器アプリでかなりの範囲はカバーできます。

理解度チェック

Q. 施主検査(内覧会)で見つけた傷や不具合は、引き渡し後に伝えても同じように無償補修してもらえるので、当日は短時間の確認で問題ない。

答え: ❌ — 構造や雨漏りなどの重大な不適合は引き渡し後も契約不適合責任・品確法で守られますが、表面的な傷・汚れは引き渡し後だと「入居時に付いたものでは」と立証が難しくなり、無償補修の交渉力が大きく下がります。施主検査は傷汚れ系を確実に是正させられる実質最後の機会で、2時間程度かけて記録を残しながら確認する価値があります。

参考情報