持病があっても住宅ローンは組める?ワイド団信とフラット35の選び方
住宅ローンの多くは、団体信用生命保険(団信)への加入が必須です。団信は加入時に健康状態の告知が必要で、持病や既往症があると一般団信に加入できず、ローンそのものを組めないことがあります。
ただし、健康に不安があっても住宅ローンを組む道はあります。本記事では、引受基準を緩めた「ワイド団信」と、団信加入を任意にできるフラット35という2つの主な選択肢と、告知の注意点を解説します。
なぜ持病があると組みにくいのか:団信と告知
団信は、契約者が死亡・高度障害になったときに残債を保険金で完済する仕組みです。金融機関はこの団信に加入できることをローンの条件にしているため、健康状態の告知で引受を断られると、原則としてそのローンは組めません。
告知では、過去の一定期間の入院・手術歴、治療中の病気、投薬状況などを申告します。告知は正確に行う必要があり、事実と異なる告知(告知義務違反)が後で判明すると、保険金が支払われず残債だけが残る事態になりかねません。
「告知しなければ通る」は絶対に避けてください。告知義務違反が発覚すると、いざというときに保険金が下りず、遺族に残債が残ります。持病があるなら、隠すのではなく、通る商品を選ぶのが正しい対処です。
選択肢① ワイド団信(引受基準緩和型)
ワイド団信は、一般団信より引受の基準を緩めた団信です。高血圧・糖尿病・うつ病など、一般団信では断られやすい持病でも加入できる可能性が高まります。
その代わり、通常は金利に0.2〜0.3%程度が上乗せされます。例えば借入3,500万円・35年で金利が0.2%上がると、毎月返済・総返済ともに一定の負担増になります(上乗せ幅は金融機関で異なります)。まず一般団信に申し込み、断られた場合の次善策としてワイド団信を検討する、という順序が一般的です。
選択肢② フラット35(団信任意)
住宅金融支援機構のフラット35は、団信への加入が任意です。健康上の理由で団信に入れない場合でも、団信なしでローンを組むことができます(その場合、金利に含まれる団信分が不要になります)。
ただし団信なしで組むと、契約者に万一のことがあっても残債は完済されず、遺族に返済が残ります。その場合は、一般の生命保険(収入保障保険など)で残債をカバーする備えを別途用意するのが現実的です。健康状態や保険料を比較し、ワイド団信付きのローンとフラット35(団信なし+別の生命保険)のどちらが有利かを検討しましょう。
健康に不安がある場合の進め方
選択肢を整理すると、次の順で検討するのが現実的です。
- まず一般団信で申し込む(通れば上乗せなしで組める)
- 断られたらワイド団信(金利0.2〜0.3%上乗せ)を検討する
- それも難しければフラット35(団信任意)+別の生命保険で備える
- 告知内容に不安があれば、事前に正確な情報を整理して申し込む(通院・投薬の記録など)
- 複数の金融機関・商品で引受可否と条件を比較する(基準は各社で異なる)
よくある質問
- 持病があると住宅ローンは組めませんか?
- 一般団信に加入できない場合はそのローンは組みにくくなりますが、道はあります。引受基準を緩めたワイド団信(金利0.2〜0.3%上乗せ程度)なら加入できる可能性が高まり、団信加入が任意のフラット35なら団信なしでも組めます。健康に不安があるなら、告知を隠すのではなく通る商品を選ぶのが正しい対処です。
- ワイド団信の金利上乗せはどのくらいですか?
- 一般に0.2〜0.3%程度の上乗せが目安ですが、金融機関によって異なります。上乗せの分だけ毎月返済と総返済額は増えるため、一般団信で申し込んで断られた場合の次善策として検討し、上乗せ後の総支払額を試算して判断するとよいでしょう。
- フラット35で団信に入らないとどうなりますか?
- 団信なしでローンを組めますが、契約者が死亡・高度障害になっても残債は完済されず、遺族に返済が残ります。団信なしで組む場合は、収入保障保険など一般の生命保険で残債をカバーする備えを別途用意するのが現実的です。ワイド団信付きローンとの総コスト比較をおすすめします。