保証料と融資事務手数料(ネット銀行型と都市銀行型の違い)
住宅ローンを借りるときに金融機関へ支払う初期費用には、大きく分けて「融資事務手数料」と「保証料」の2つがあります。どちらを、どのような形で支払うかは金融機関のタイプによって異なり、諸費用の中でも特に金額の大きい項目です。
ネット銀行やフラット35では借入額の2.2%(税込)を支払う「定率型」の事務手数料が主流である一方、都市銀行では事務手数料は3.3万円程度の定額にとどめ、別途保証会社へ保証料を支払う「保証料型」が一般的です。一見すると仕組みが大きく違いますが、初期費用の総額はほぼ同水準になるケースもあります。
このページでは、両者の仕組みと違い、返金の有無、繰上返済との関係を整理し、借入4,000万円・35年の試算例をもとに選び方の考え方を解説します。
融資事務手数料とは(定率型と定額型)
融資事務手数料は、住宅ローンの融資実行にあたって金融機関へ支払う手数料です。「定率型」と「定額型」の2種類があり、定率型は借入額×2.2%(税込)が代表的な水準で、ネット銀行やフラット35で主流です。借入4,000万円なら88万円と、諸費用の中で最大級の項目になります。
一方の定額型は、借入額にかかわらず3.3万円程度の固定額です。定額型を採用するのは主に都市銀行で、その代わりに後述する保証料が必要になります。
重要な注意点として、融資事務手数料は繰上返済や借り換えをしても返金されません。この点が、保証料との大きな違いの一つです。
保証料とは(外枠方式と内枠方式)
保証料は、返済が困難になった場合に保証会社が金融機関へ残債を立て替える「保証」の対価として支払う費用です。都市銀行を中心とした保証料型のローンで必要になります。なお、保証会社が立て替えた後も債務者の返済義務がなくなるわけではなく、返済先が保証会社に変わるだけである点には注意が必要です。
支払い方法には2つの方式があります。契約時に一括で前払いする「外枠方式(一括前払い)」と、金利に年0.2%程度を上乗せして毎月の返済に含める「内枠方式」です。当サイトの試算では、借入4,000万円・35年・一括前払いの場合の保証料は824,400円(借入100万円あたり20,610円)です。
外枠方式で支払った保証料は、繰上返済や完済によって保証期間が短くなると、経過期間に応じて一部が返戻されます。将来まとまった繰上返済を予定している人にとっては、この返戻の仕組みが保証料型を選ぶ理由になり得ます。ただし返戻額の計算方法や事務手数料の控除は保証会社によって異なるため、事前の確認が必要です。
ネット銀行型と都市銀行型の比較
両者の違いを整理すると次の表のようになります。手数料型(ネット銀行型)は表面金利が低めに設定される傾向がある一方、初期の事務手数料が大きく、返金もありません。保証料型(都市銀行型)は繰上返済時の返戻がある、内枠方式で初期費用を抑えられるといった柔軟性があります。
どちらが有利かは、借入期間をどれだけ使い切るか、繰上返済をどの程度行うかによって変わります。長期間借り続けるなら金利の低い手数料型が有利になりやすく、早期に繰上返済・完済する可能性が高いなら保証料の返戻がある保証料型が有利になる場合があります。
| 項目 | ネット銀行型(定率手数料型) | 都市銀行型(定額+保証料型) |
|---|---|---|
| 融資事務手数料 | 借入額×2.2%(税込)が主流 | 3.3万円程度の定額 |
| 保証料 | 不要 | 一括前払い(外枠)または金利+0.2%程度(内枠) |
| 借入4,000万円・35年の例 | 手数料88万円 | 手数料3.3万円+保証料824,400円 |
| 繰上返済時の返金 | なし | 外枠方式なら未経過分の一部返戻あり |
| 初期費用を抑える選択肢 | 電子契約で印紙税0円など | 内枠方式(金利上乗せ)で一括前払いを回避可能 |
試算例:借入4,000万円・35年での初期費用比較
当サイトのシミュレーターで、新築マンション4,500万円・借入4,000万円・35年の諸費用を両タイプで計算した例です。ネット銀行型(事務手数料2.2%)では諸費用合計が約199万円、都市銀行型(事務手数料3.3万円+保証料一括824,400円)では約197万円となり、初期費用の総額はほぼ同水準でした。
つまり「手数料型だから高い」「保証料型だから高い」と単純には言えず、初期費用だけで優劣は決まりません。比較のポイントは、適用金利を含めた総返済額と、繰上返済時の返戻の有無に移ります。
借入4,000万円・35年:ネット銀行型と都市銀行型の初期費用
- ネット銀行型(事務手数料2.2%):融資事務手数料88万円、諸費用合計 約199万円
- 都市銀行型(定額手数料+保証料型):事務手数料3.3万円+保証料一括824,400円、諸費用合計 約197万円
- 保証料の単価:借入100万円あたり20,610円(35年・一括前払い)
- 初期費用の総額はほぼ同水準。差がつくのは適用金利と繰上返済時の返戻の有無
どちらを選ぶべきか:判断のポイント
第一のポイントは適用金利です。手数料型は保証料型より表面金利が低く設定される傾向があり、35年間借り続ける前提なら総返済額で有利になりやすいといえます。金利差が同じでも借入額・期間によって影響は変わるため、シミュレーターで総返済額を比較しましょう。
第二のポイントは繰上返済の予定です。10年程度で完済する可能性があるなら、外枠方式の保証料型は未経過分の返戻が受けられるぶん実質負担が下がります。手数料型は早期完済しても88万円が戻らないため、短期完済では割高になりがちです。
第三のポイントは手元資金です。初期費用を抑えたい場合、保証料の内枠方式(金利+0.2%程度)を選べば一括前払いが不要になります。ただし金利上乗せのぶん毎月返済額と総返済額は増えるため、外枠方式との損益分岐を確認してから選ぶことをおすすめします。
よくある質問
- 融資事務手数料と保証料は何が違うのですか?
- 融資事務手数料は金融機関へ支払う手数料で、繰上返済しても返金されません。保証料は保証会社へ支払う保証の対価で、一括前払い(外枠方式)の場合は繰上返済や早期完済で未経過分の一部が返戻されます。ネット銀行・フラット35は事務手数料2.2%の定率型が主流で保証料は不要、都市銀行は定額手数料3.3万円程度+保証料型が一般的です。
- 借入4,000万円・35年の保証料はいくらですか?
- 一括前払い(外枠方式)の場合、当サイトの試算では824,400円(借入100万円あたり20,610円)です。一括で支払わずに金利へ年0.2%程度を上乗せする内枠方式を選ぶこともできますが、その場合は毎月の返済額と総返済額が増えます。
- ネット銀行型と都市銀行型では初期費用にどのくらい差がありますか?
- 借入4,000万円・35年の試算では、ネット銀行型(事務手数料88万円)の諸費用合計が約199万円、都市銀行型(事務手数料3.3万円+保証料824,400円)が約197万円で、初期費用の総額はほぼ同水準です。差がつくのは適用金利による総返済額と、繰上返済時に保証料の返戻があるかどうかです。
- 繰上返済を予定している場合はどちらが有利ですか?
- 早期にまとまった繰上返済や完済をする可能性が高い場合は、外枠方式の保証料型が有利になりやすいといえます。保証料は未経過期間に応じて一部が返戻されるのに対し、定率型の事務手数料は一切返金されないためです。一方、35年近く借り続ける予定なら、金利が低めの手数料型が総返済額で有利になる傾向があります。